【J1】第32節 vs清水エスパルス 戻ってきた声援! ~等々力劇場のフィナーレは“小林悠”~ (2022/10/8)

 

 

等々力陸上競技場に、958日ぶりに声援が戻ってきました!!

 

958日ぶり。みんなが待っていたサポーターの声が帰ってきました

 

どれだけのサポーターが待ち望んでいたでしょうか。

思わずスマホを手に取り、撮影をしていました。

エリアに制限が与えられているものの、嬉しい一歩となりましたね。

 

ゆう
ゆう

やっぱり声があると迫力が違うね!!

心なしか、選手のアップにも力が入っているように見えました!

 

そして、声出し応援再開初戦は、お互い点を取り合うも辛勝!

そのフィナーレを飾ったのは小林悠選手でした!

苦しいチーム状況、優勝するには負けが許されない状況を救うエースのゴールは涙が出そうになりました。

 

堂々の《あんたが大賞》受賞です!

 

 

そんな小林選手の陰に隠れた功労者を忘れてはなりません。

そう、その名は山村和也選手!

 

ここにきて最終ラインに怪我人が出てしまったチーム状況で、CBに入り安定したパフォーマンスを披露。

さらに同点ゴールを決めてチームの士気を取り戻すなど、派手さはないものの存在感のあるプレイを見せ続けてくれました。

 

 

苦しんだ戦いの中にも、互いの監督の駆け引きが見られたこの試合を早速振り返ってみたいと思います!!

 

 

勝ち点3必須!両監督の駆け引き

 

まずは今節のスタメンです!

 

怪我人・出場停止が相次いだフロンターレ。清水は両ウィングを変更

  

フロンターレは、この最終盤に怪我人が相次いでしまいました。

 

■故障者リスト

・チョン ソンリョン ・ジェジエウ ・車屋 紳太郎 ・大島 僚太

・チャナティップ ・レアンドロ ダミアン ・橘田 健人(出場停止)

  

攻守の要が揃って故障者リスト入りは厳しい…。

しかし、この日の選手たちは抜けた穴を感じさせない活躍を見せてくれました!

 

丹野選手、山村選手はスタメンの機会が多くないものの、パフォーマンス全体は安定していたように見えましたね。

また、個人的には登里選手が2試合続けてスタメンに名を連ね、一定時間プレイできたことも大きな収穫だと思います!

今期は、試合に出場するとしばらくまたお休みという状態が続いていました。

連戦を戦えるコンディションに少しずつ戻ってきたという証ですね!

 

 

対する清水ですが、基本的な戦い方は前回対戦と同様。

それに合わせて、両ウィングを乾・ピカチュウコンビから、中山・カルリーニョスJr.コンビに変更しました。

守備タスク、カウンターのスピードを考慮しての人選になりましたね。

 

前半は、清水の守備、カウンターの形がしっかりとはまりました。

コーナーキックからの失点は痛かったものの、フロンターレに相手に上手く守っていた印象を受けましたね。

 

そして後半、前半からの流れそのままにフロンターレは2失点…。

不穏な空気が等々力を包み、このまま敗戦かと思ったサポーターも少なくなかったはずです。

 

しかし、知念選手の投入により少しずつ流れが変わっていきます。

狙い通りか、偶然の産物か。

攻撃的な交代によって変更されたシステムが上手くハマりました。

 

ゆう
ゆう

たった一人の立ち位置が変わるだけで、流れが変わってしまう。

配置の妙であったり、読み合いの部分が複雑に絡み合っているのが分かると、やっぱりサッカーは面白い!って感じるね!!

 

 

【前半】思惑通りに進めた清水

 

それでは、まずは思惑通りに進められた清水の守備を中心に見ていきましょう。

 

スタメンの図でお分かりのように、清水は4-4-2のシステムを使ったプレッシングからのカウンターを粛々と狙っていました。

一方、フロンターレは普段通りの4-3-3のシステムです。

構図は前回対戦とあまり変わりませんでした。

 

清水のプレス:中央のシミッチ選手・遠野選手・脇坂選手を連動して潰しにいく

 

上図のように、2トップでシミッチ選手を監視して、2ボランチで中央を潰しに行く形を清水は取りました。

この形自体は、他のチームでも行っている対策でもあるので特段驚きもありませんでした。

 

しかし、その循環でサイドバックにパスが出た時、清水の選手たちの横移動が素早くコンパクトに行えていました。

これはとても印象的でしたし、前回対戦では見られなかった光景です。

ぜ・リカルド監督が就任してから積み上げてきた守備戦術が、かなり緻密に選手に浸透しているのが伺える守備でしたね。

 

フロンターレは、このコンパクトな守備に効果的な攻撃を作り出すことが出来ませんでした。

前半の10分辺りからの数分間は、清水の守備組織の外側を永遠とボールが回っているだけの時間がありました。

そのくらい、付け入る隙が見当たらない守備だったということです。

 

 

7分:外循環させたパスを狙っていたカルリーニョスJr.選手

 

7分には、中央から前進できないと踏んだ谷口選手のパスを、カルリーニョスJr.選手がパスカットでカウンターを成立させました。

 

これは、清水の狙っていた形だったと思います。

4-3-3で、家長選手が中央へ自由にポジションを変えるフロンターレのポゼッション。

そのため、中央には自然と人が集まりますし、楔のパスが入ると大ピンチにも繋がってしまいます。

 

そこで、中央へのパスコースを制限させて、サイドに誘い込むようにパスを出させてカウンターを打つ。

後半の開始早々に失点した形も、ほぼ同じようなシチュエーションでしたので、明確に狙っていた形であったと言えるでしょう。

 

このプレッシングを回避するために、フロンターレは谷口選手、シミッチ選手、山村選手が清水DFラインの裏にロングボールをいくつも蹴っていました。

前半は得点に繋がらなかったものの、チャンスを作り出すことには成功していましたね。

 

相手のDFが組織的に、そしてタイトに守備が出来ている状況では、隣にいる選手へのパスだけでは攻略は難しいです。

いわゆる、【各駅停車】のパスでは不十分なのです。

通常のパス回しから1人、2人の選手を飛び越えた【準急行】的なパスを繰り出していくことが重要ですね。

 

 

このように、前半は清水の思惑通りに上手く試合が進み、フロンターレは多くのチャンスを演出するという

ところまでは至りませんでした。

 

 

【後半】知念投入による変化

 

もう一つ、前半で上手くいかなかったのは、フロンターレの清水に対するプレッシングです。

4-4-2の形に対して、4-3-3にてプレスを掛けましたが、中盤の枚数の違いによってプレッシングが上手く噛み合わなかった印象です。

 

8分:前からプレッシングを行うも、山根選手の裏を取られピンチに

 

こちらは8分の場面です。

清水の4バックに対してフロンターレは前線3人。

清水の中盤4人に対してフロンターレは中盤3人。

 

この2列で1人ずつ清水の余りが出てしまいます。

余った中盤の選手へは、DFが繰り上がってプレッシングに行きますが、行った分、後ろにスペースはどうしても空いてきます。

 

上図では、清水のGKとCBを前線3人で囲い込みに行きました。

そして、サイドバックに脇坂選手。

中盤3枚の脇(白枠)に流れた北川選手に山根選手と繰り上がっています。

 

一見、上手くハマっているように見えますが、山根選手の裏側を虎視眈々と狙っていたのがカルリーニョスJr.選手。

山原選手からT.サンタナ選手に縦パスが通ると、ダイレクトで赤丸のスペースを使われてしまいました。

 

4-3-3の中盤の脇を使われる典型的な流れでしたね。

おそらく、山根選手が攻守において前に出てくることもスカウティングしたうえで取った戦術だったはずです。

 

前半は、このミスマッチもあったのでプレッシングも噛み合いませんでした。

  

知念投入へ

 

そして、59分に逆転の初手として知念選手が投入されました。

この交代は純粋にストライカーの増員として行われまいたが、これが守備にも良い影響を与えました。

 

知念選手は小林選手の少し後ろ気味のポジションに入ったので、システムとしては4-2-3-1。

見方によっては、小林選手との2トップで4-2-4となり、清水の中盤センターと噛み合う並びに変更になったのです。

 

 

中盤を2トップで消して外回りにさせ、ウィングでカバーする

 

清水ボールになった時は、このような4-4-2の並びでフロンターレは構えます。

赤丸で囲ったように、2トップで清水に2ボランチを制限できるので、パスコースは自然とサイドになっていきます。

パスの出どころには、ウィングがカバーに行くのでそこから先の前進は難しくさせていました。

 

前半に清水にやられていたことを、フロンターレがやり返したような形になりましたね。

 

サイドからCBへのバックパスに連動して中央からプレッシング

 

サイドからの展開が難しくなると、CBに戻してやり直します。

このバックパスに2トップがプレッシング!

それに連動して、フロンターレの中盤が前進します。(赤丸)

 

4-4-2の並びが相手と噛み合うと、1対1として強く相手にプレッシャーを掛けることができます。

 

また、中盤に2ボランチを置くことが出来たので、シミッチ選手、脇坂選手のサイドへのカバーリングもそんなに距離を走らなくても行うことが出来ます。

通常シミッチ選手が1ボランチになると、上下左右に走り回っている姿をよく見ます。

そういった負担を軽減でき、省エネルギーで守ることが出来たのも終盤有利に進められた要因ではないでしょうか。

 

 

この守備への影響を考慮して交代を行ったのかは定かではありませんが、前半上手く試合を進めていた清水が、知念選手が投入されてからはフロンターレペースに変化していったのは間違いありません。

ここまで計算していたとなれば名将恐るべし…。

 

勝ち点3が必須であるこのギリギリの状況で行われた駆け引きは、とても見応えがありましたし、試合をより面白くさせてくれましたね!

 

 

《山村和也》陰のあんたが大賞!

 

そして、逆転ゴールを挙げた小林悠選手の《あんたが大賞》の裏で、真の受賞者がいたんじゃないかと噂だっていましたね!

私も、それに一票を投じる身です!

山村和也選手は本当に良いパフォーマンスでした!

 

ゆう
ゆう

出場時間は多くない、でも困った時の一番手としてチームの重要なピースになっているね!

この日はスタメンだったけど、攻守で安定したプレイを見せてくれました!!

 

まさにこの日の先発も緊急登板。

 

前節の札幌戦でジェジエウ選手が相手との交錯で指を怪我。

車屋選手は筋肉トラブル…。

 

「ベンチに山村選手がいれば…。」

  

結果、札幌の猛攻に耐え切れずに敗戦。

いくつもピンチを救ってくれた山村選手に、個人的に《あんたが大賞》を送りたいと思います!!

 

 

安定したパスで逆転の起点に

 

守備では、谷口選手とのコンビで細かいポジションの微調整含めてさすがの動きでした。

 

しかし、私が特に良かったと思うのは攻撃時のパスです!

セレッソ大阪時代にレギュラーを取ったポジションはボランチ。

この中盤の選手ならではのパス能力をいかんなく発揮してくれたと思います!

 

スペースを埋められるも、DF裏へのフィードが光った

 

前半でいうと17分と22分に、裏抜けする選手への良いフィードがありました。

力も抜けていて、ちょうど良い強さのパスでチャンスを演出しました。

特に22分の場面では、ニアに誰か走り込めば1点の決定機でしたね。

 

守備だけではなく攻撃の場面でも顔を出し、75分にはコーナーキックに合わせた技ありのヘディングゴール!!

スタジアム中に「まだいけるぞ!」という活気を取り戻した1点になりました。

 

そして、直後に逆転ゴールの起点となっていました。

 

77分:サイドへ展開し、自らスペースに入り込みセンタリング

 

自らゴールで同点となり、興奮が冷めやらない77分。

押し込んだ勢いのままに逆転ゴールが生まれました。

 

清水のブロックの手前で探るようにパスを回していたところから、山村選手がサイドへパスを展開。

大外の家長選手にボールが入るのに合わせて、清水のDFラインも後方に下がりました。

下がって空いたスペースを山村選手は見逃さずに侵入し、すかさずセンタリングを上げての逆転ゴールとなりました。

 

決して派手なプレイヤーではない、スーパーサブとしてプロの世界を生き抜いた苦労人。

フロンターレでもその生き様は継続されていますが、フロンターレには欠かせない重要な戦力であることを今シーズンは示し続けてくれています。

後ろだけではなく、最前線に入ったのも記憶に新しいところです。

 

移籍で主力が出ていく今シーズンのような状況がもう一度来ないと、山村選手の現状の立場は変わらないかもしれません。

しかし、丹野選手と同様に来る出場機会のために粛々と準備する姿というのは、試合はもちろん、練習場でも良い影響を与えてくれているに違いありません。

チームに欠かせない【スーパーサブ】に今後も熱視線を送り続けようと思います!!

 

 

【残り3試合】シャーレは誰の手に

 

そして気になっていたのは他会場…。

何と、マリノスはガンバ大阪に敗戦!

 

残留に向けて死ぬ気で向かってきたガンバ大阪に対して、目の前まで迫った大きなものの前に少し力みが見えたマリノス。

マリノスの優勝がお預けになったと同時に、フロンターレ優勝へ希望が繋がりました。

依然マリノス優勝大本命は変わりありませんが、残り3試合で勝ち点差が5になりました。

 

次節マリノスが敗北し、フロンターレが勝利を収めれば、いよいよ分からない展開になっていきます…。

  

そんな期待を胸に、次節は水曜日開催の京都戦!!

2試合連続でホームの声援を受けながらの試合になるので、是が非でも勝利を収めたいところ!

 

前回対戦は、ピーター・ウタカ選手を起点に連動した京都の攻撃に苦しめられました。

最近はワントップに山崎選手を起用してきていますが、フロンターレ対策としてウタカ選手を起用するのか…。

途中出場であっても厄介な選手であることに変わりはありません。

 

 

そして他会場ですが、マリノスは磐田との延期分を消化します。

磐田も、残留への最後の望みを繋げる為に死ぬ気でマリノスに向かっていくでしょう!

そんな火事場の馬鹿力をひそかに期待をしながら、結果を待ちたいと思います。

 

大混戦となった今季のシャーレは一体誰の手に!?

最後まで目が離せないJリーグ、フロンターレを応援しましょう!!

 

Vamos!Frontale!!

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