【J1】第31節 vsコンサドーレ札幌 ”聖地厚別”の魔力 ~満身創痍で打ち合うも4失点敗北~ (2022/10/1)

 

今シーズン、多くの主力を引き抜かれながらも優勝争いを続けたフロンターレ。

終盤戦に入った最近は、上位対決といった重要な試合を勝ち、優勝戦線から離脱せずマリノスについていくことが出来ていました。

 

しかし、いよいよ王者陥落が現実的になってきました…。

そのくらい、今節の敗北は大きな1敗でした。

 

代表ウィーク明け最初の試合。

約2週間の調整でコンディションはばっちり、連携も確認できた……それなのに…。

 

ゆう
ゆう

残り4試合で勝ち点差8

マリノスの3連敗は正直考えづらい……粘り続けたけどここまでか…。

 

 

特に80分~100分に掛けての20分間は壮絶な戦いになりました。

この20分の間にピッチ内ではどんなことが起こっていたのか。

今までの敗戦の中では一番心に応えていますが、ゆっくりふり返ってみようと思います。

 

【死闘】ラスト20分の失点劇

 

まずは今節のスターティングメンバーから振り返っていきます。

 

代表戦が明けて、谷口選手と山根選手はベンチからのスタート

 

フロンターレは、谷口選手と山根選手が代表戦を戦い抜いたので、スタメンからは外れました。

結果としては、これにより守備陣はかなり苦しみました。

改めて、2人の偉大さが分かる試合となりました。

 

代わりにスタメンに名を連ねたのは車屋選手と佐々木選手。

車屋選手は久々の戦線復帰です!

佐々木選手は、最近出番を増やしていましたが、今節は前半のみの出場になりました。

ルーキーイヤーで試合に比較的に出ることが出来た前半戦と、出番がなかなかもらえない後半戦といろんな経験を積めた一年になったかと思います!

 

ゆう
ゆう

山根選手・登里選手といった良いお手本が近くにいるうちに、様々な技術を盗んでほしいね!

 

 

対する札幌は、前節マリノス戦に引き分けるなど3試合負けなしです。

J1残留へ勝ち点を一つでも多く積みたいチームなので、対戦する側としては厄介なチームです。

 

スタメンはマリノス戦とほとんど同じメンバーでした。

サイドの金子選手とL.フェルナンデス選手が良いカットインからシュートを放っていたので要警戒選手ですね!

 

 

そして、結果は4-3の惜敗…。

優勝戦線からは実質離脱となってしまいました…。

 

終始インテンシティが高い試合になりましたが、特に最後の20分は死闘と言っていいほどの激戦となりました。

満身創痍のフロンターレに対して、残留のために全員で襲い掛かってくる札幌攻撃陣。

大きく言うとこのような展開ですが、細かい部分を見てみるとやはり点を取られるべくして取られた要素はあったと思います。

 

 

そんなラスト20分にスポット当てて振り返っていきたいと思います!

 

 

車屋選手:負傷によりCB山根選手

 

センターバック(CB)

GKの前、真ん中に位置するディフェンスの要のポジションです。

 

普段のコンビは谷口選手とジェジエウ選手がコンビを組み、安定した守備で後ろからチームを支えます。

しかし、今節は谷口選手が代表戦で遠征していたので車屋選手が久し振りにCBに入りました。

CBでの出場は、7月9日G大阪戦まで遡り、ジェジエウ選手とのコンビは今シーズン初です。

 

スタメンでの出場は、9月3日湘南戦で左SBでの出場以来。

そして、公式声明はありませんでしたが湘南戦で軽い故障があった模様でしばらくベンチにすら入っていませんでした。

 

そんな怪我明けの初戦が今節札幌戦だったわけですが、やはりこれだけ走り合いになる強度高い試合を90分出場し続けるのは難しかったようです。

少し動きが鈍っていたかなと感じてはいたものの、78分に負傷交代。

 

山村選手がバックアップにいなかったこともあり、代わりに瀬古選手を投入。

CBに山根選手、右SB登里選手、左SBに橘田選手が配置され、最後の逃げ切りを図りました。

 

しかし、試合再開直後の82分に同点に追い付かれてしまいます…。

 

 

82分:CBに入った山根選手のサイドから失点

 

一瞬の駆け引きでした。

 

上図の前段では、左サイドからのコーナーキックがありました。

それを一度跳ね返し、札幌GKの菅野選手から右サイドの青木選手にボールが入りました。

そしてサイドチェンジをして、L.フェルナンデス選手がクロスを上げる瞬間、G.シャビエル選手にバックステップで距離を取られて勝負ありでした。

 

これだけサイドチェンジがあると、左右に目線の動きが激しくなるので、中央のマークに付くのも疎かになってしまいがちです。

これは、CBが本職でなければなおさらです。

もちろん失点には色々な要因がありますが、山根選手がCBの位置に立ったことは少なからず影響はあったはずです。

 

実は、前半はこのようなサイドチェンジを、札幌はいくつか行っていました。

フロンターレとの対戦である程度準備していたかたちであったと思いますが、細かいサイドチェンジがあってもジェジエウ選手と車屋選手のコンビは距離感も崩れることなく対応が出来ていました。

 

しかし、本職ではない山根選手がCBに入ることでどうしてもボロが出てしまいますね…。

やはり、能力が高く緊急で複数ポジションが出来るといえ本職には敵わないのだなと痛感した瞬間でした。

 

 

谷口選手:勝利への執念も空回り

 

そして、失点直後のキックオフの混乱から橘田選手がDOGSOで一発レッドカード。

さらに、G.シャビエル選手と交錯したソンリョン選手は膝を負傷。

 

VARチェックやソンリョン選手の治療などでおよそ10分間試合が中断。

アディショナルタイムも12分取られるなど、異例の長さになってしまいました。

 

ゆう
ゆう

居合の流れや帰りの公共交通機関の時間を無視したようなディレクションにちょっと・・・。

あとで少しだけ触れます・・・。

 

 

とはいえ、両者勝ち点3が絶対に欲しい状況で12分のアディショナルタイムはとても助かります。

1点取った方が勝ち」といった流れの時、キャプテンが動き出しました!

 

試合時間にして100分を迎えたところで、谷口選手が前線へ駆け上がります。

「マリノス戦の再来か!?」と誰しも思ったはず!

 

 

ただ、上がり方を見ていると少し中途半端であった気もしますね…。

上がった直後、左サイドの遠野選手のセンタリングには全く間に合っておらず、相手のクリアボールも自分の頭の上を超えてボールを触れていませんでした。

 

その後もボールが落ち着きませんが、やはり立ち位置が中途半端でしたね。

 

101分:札幌逆転の場面、谷口選手の位置は[攻めて]も[守って]もいない位置に

 

上図が田中選手からキム・ゴンヒ選手へロングボールが入ったシーンです。

札幌はほぼ一か八かの場面ですのでナイスプレイの一言しかありません。

勝利への執念です。

 

この時の谷口選手の立ち位置はセンターラインを越えており、駒井選手の脇あたりにいます。

マリノス戦でジェジエウ選手が見せたパワープレイを行うのであれば、小林選手の近くの辺りにいるはず。

攻めるのを諦めたのであれば、試合終盤の勝負が決する時なので、赤い矢印を引っ張ったDFラインに入っているはず。

 

谷口選手の位置は、【攻めようとしたが上がり切れず】【守りたいが攻めの機会を伺って下がり切れず】といったところでしょうか。

谷口選手が【上がり切って】いるといれば、脇坂選手や登里選手がそのスペースをカバーする対策を取れます。

また、【下がり切って】いれば大外から小柏選手が猛ダッシュしていることを踏まえて3対3の状況を作れているので、またシチュエーションが変わっていたはずです。

 

 

おそらくですが、谷口選手はキャプテンとして決断を迫られていたのだと思います。

キャプテンとして【チームを勝たせる】のか【チームを負けさせない】のか。

最後は決めきることが出来ずに、あのような立ち位置になってしまったのかなと、私は推測しております。

 

一瞬の迷いが一瞬の隙を作ってしまう。

スポーツをやっていた身として、スポーツの難しさ、決断力の大切さを思い出させてくれたシーンです。

 

 

【聖地】厚別の魔物は存在するのか

 

というわけで、色々なことが起こった試合をラスト20分に絞って振り返りました。

戦術的なところでいえば、前半にも触れたいところは多かった…。

しかし、全部にふれていたらシーズンが終わってしまう…。(笑)

 

 

今回の会場がコンサドーレ札幌の聖地、厚別公園競技場でした。

札幌から札幌市営地下鉄東西線で大谷地駅のところにありますこの地は、1996年、コンサドーレ札幌が誕生した時のホームグラウンド。

そこから1997年に掛けての2年間で21勝0敗というとんでもない記録を打ちたてたスタジアムなのです!

この厚別不敗神話というのが強く根付き、「聖地厚別」と呼ばれるようになったそうです。

 

来期の札幌ドーム常時使用で、厚別の試合はフロンターレ戦が最後という噂も…。

サポーターが大事にしてきた感情があるので、とても悲しいニュースです…。

 

 

聖地と呼ばれるスタジアムだからなのか、(いや、そんなことはない)試合の内容以外のトピックが少しあったので触れてみたいと思います!

サッカーの戦術だけではなく、こんな視点、楽しみ方があってもいいかもしれないですよ。

 

 

滑り続けたフロンターレ選手たち

 

ウケた、スベったの話ではありません(笑)

この試合、芝生が柔らかかったのかフロンターレの選手だけピッチ上で滑っていたのが印象的でした。

プロの選手ですし、ましてやスパイクを履いているのでめったに滑るということは無いのですが…。

 

通常スパイクは【晴れの日仕様】【雨の日仕様】で分けられることが多いようです。

晴れはいわば通常仕様ですが、雨の日はピッチがぬかるむので地面(芝生)に刺さりやすいものを選ぶことが多いとのこと。

また、人工芝であれば足裏のイボイボ(スタッド)が低いものを選んだりとモデルをいくつか使いわけるケースがあるそうです。

 

 

今節の厚別は天候は良かったはず。通常のコンディションで行えたはず…。

しかし、フロンターレ選手のみがピッチ上で滑り、札幌の選手は通常通り走れていました。

ホームチームにしかわからない芝の特徴、天候の影響があるのでしょうか…。

【聖地厚別】と名が付いているだけあって、無駄な勘繰りをしてしまいます。

 

ただ、ピッチコンディションというのは選手の怪我を防ぐ意味でも重要なので、単純なコンディション不良であるならば整備をして頂きたいですね…。

日産は首位チームのホームなのか?と思うくらいピッチコンディションが悪いですよね…。

観ているこっちがハラハラしてしまいます。

 

現にフロンターレの交代はほとんどが負傷交代。

脇坂選手も試合終盤に脚を滑らせており、少し痛めている様子でした。

 

想定外の身体的負担があったでしょうから、まずは体をきっちりと休めてほしいですね。

 

 

見直しは必須か?VAR運用

 

もう一つ、これは審判団です。

ホームチームに若干有利に働いたりということはあるので、そこは百歩譲るんですが…。

 

この試合のVARチェックの回数と時間が長すぎました。

微妙なオフサイドやハンドだったりなのかもしれませんが、確固たる証拠が示せないと分かったら素直に主審のレフェリングを尊重するべきです。

「確実じゃないから」と正確にジャッジをしようとするのは良いことですが、肝心な試合の流れを止めてしまっては意味がありません。

 

会場の誰もがジャッジを認めているのに、VARだけが発見して変更になるというのは多々見受けられます。

試合は生ものなので、重箱の隅を穿り返すような運用だけは避けて頂きですね。

 

この試合を捌いたのは岡部主審ですが、岡部主審も基準をはっきり持って統率が出来ているとまた違ったのかなとは感じます。

いくら試合が止まったからといって、アディショナルタイム12分は長すぎます…。

 

試合がなるべく90分で終わるようにディレクションをする。

そして、試合後に居酒屋でサポーター同士で試合について語り合う。

そこまで入れて、サッカーというエンターテイメントととらえるのであれば、帰り時間が遅くなり、サポーターの楽しみな時間を減らしてはならないと私は思います。

 

 

難敵残留争い組、清水エスパルス戦

 

そして、週末にホームで迎え撃つのは残留を争う清水エスパルス!

今節の札幌同様に、眼の色を変えて勝ち点3を奪いに来ます。

 

フロンターレの優勝が厳しくなった今、モチベーションが落ちて飲み込まれてしまうと、ACL圏内すら怪しくなってきます。

気付けば広島が真後ろに…。

 

そして、ついに等々力に声援が帰ってきます!

選手の後押しをするのはもちろん、選手も久し振りのホームの応援を力に代えて、良いプレイをたくさん見せて欲しいですね!!

 

天気、気温が少し心配ですが、思い切り声を出して吹き飛ばしてしまいましょう!

世の中が正常に戻ってきつつあるので、次節も楽しみに待ちたいと思います。

 

移籍の噂等も出始めましたが、まずは今シーズンしっかりと終えて、来期のことは来季に考えましょう。

 

それでは、Jリーグ終盤の次節にまたお会いしましょう!

 

 

Vamos!Frontale!!

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