さあ、待ちに待った週末がやってきました!
水曜日開催の鳥栖戦が、コロナウイルスの影響で延期となったので、一週間ぶりのリーグ戦です!
心身ともにリフレッシュが出来たと考えれば、ポジティブな延期でもあったね!
しかし、フロンターレも鬼木監督が濃厚接触者扱いにより今節はベンチ外に…。
コロナウイルスはまだまだ終息が見えてきませんね…。
ただ、一部声出し応援が試験的に解禁されるなど、確実に前進はしています!
声援が戻る等々力を、静かに待ちたいと思います!
そこには凛々しくも静かに聳え立つ男の姿があった。
「川崎山脈」の一角を担った寺田周平コーチが、鬼木監督の代行を務める形で指揮を執りました。
クラブの歴史を知り尽くしている男の眼は、優しい眼差しでありながらクラブを背負う強さを感じさせます。
長くチームを支えたサポーターさんには堪らない瞬間になったんじゃないかな!
そんなスペシャルな日に、選手が呼応したかのように4発&クリーンシートの快勝!!
ガンバに退場者が出たとはいえ、終始試合をコントロールすることができました。
さらに、登里選手が途中交代で戦線に復帰するなど、トピックの絶えない試合になりました!
逆に、ガンバ大阪としては非常に心配になる内容になってしまいました。
前節の湘南戦とシステムを変えて4バックで臨むもの、ハイプレスをあっさりかわされての4失点。
攻守どちらもちぐはぐしているようには見えました…。
東口選手がいなければもっと点を決められたはず…。
退場者が出てからの交代もスムーズにいかず、敵ながら少し心配…。
今節のスターティングメンバー
それでは、さっそく今節のスタメンから見ていきます!
フロンターレは佐々木選手がスタメンに戻ってきました!
ルーキーながら攻守にわたって活躍を見せてくれており、佐々木選手が戻ったことで、橘田選手を本職で起用することができるようになります。
攻守において役割が非常に多いフロンターレのアンカーポジションですが、それを的確にこなす橘田選手が本来のポジションに戻ったことは非常にポジティブだと思います。
さらに、今日の主役である3トップ!
実はこの組み合わせは、15節の湘南戦以来の久しぶりの組み合わせになりました。
マルシーニョ選手は縦への突破、ダミアン選手はフィジカルを活かしたポストプレイ、家長選手はさすがのキープ力と展開力。
それぞれの持ち味が掛け合わされた良い攻めがたくさん見られました!
前半で勝負を決める圧巻の内容だったね!
3人のコンビネーションは後ほど確認してみよう!
一方のガンバ大阪ですが、前節湘南戦からは大きく配置を変更しました。
18節の札幌戦以来の4バック!
前線にスピードのある選手を置き、ハイプレスからのショートカウンターでゴールを目指します!
フロンターレ相手には、どちらかというと挑戦的な姿勢で試合に入りましたね。
しかし、片野坂監督の采配が裏目に出たのか、ハイプレスをあっさりかわされての4失点…。
退場者が出て、なかなか陣形が定まらないうちに攻略されてしまいました。
結果以上に内容があまりよくない印象で、後半戦に不安が残りました。
残留争いに本格的に巻き込まれそうなガンバ…。
攻守においてしっかりと改善を見せないと非常に厳しいね。
では、今回は大量得点で大爆発したフロンターレの前線に注目していきます!
【川崎三銃士】
まさにこの呼び名が相応しいのではないでしょうか。
それぞれの個性を融合させ、フロンターレの攻撃を牽引してくれました!
マルシーニョ選手は、抜群のスピードでガンバのハイプレスの裏を狙い続けて相手の脅威になりました。
中央のダミアン選手は、屈強な体でボールを収め右へ左へと展開。攻撃にバリエーションを持たせました。
家長選手は、独特な間合いとブレナイ体幹でボールをキープ。自由に動き回り、この試合のタクトを握りました。
居合開始直後から、3人の良い連携が多く見られたね
今日のフロンターレは、シンプルにダミアン選手目がけてボールを蹴るというのも多く見せていました。
相手がハイプレスを行ってきた場合、前に来る相手をロングボールでひっくり返すことは有効な手段となります。
図の場面は、試合開始直後のシーンです。
ガンバは、前戦2トップで橘田選手を挟むようにしてプレスを掛けます。橘田選手が挟まれていると、CBはそこにパスは出しづらくなります。
ハイプレスがきているので、脇坂選手やチャナティップ選手にパスを出すのも難しい。
こうなった時、最前線に無理の利くダミアン選手がいるのはありがたいのです。
ダミアン選手がボールを収め、周りの選手がサポートして攻撃を展開する形を作れるからです。
さらに、最前線であるダミアン選手にボールが入れば、必然的に相手のDFが食いついて寄せてきます。
寄られたことで空いてくる裏のスペースを、味方が使うことで一気にゴール前に行けます。
上の図のシーンでは、家長選手が近くに寄ってボールを引き出し、そこから裏へ走るマルシーニョ選手へ展開してゴール前まで侵入しています。
今節はこういったシーンが多く見られました。
ダミアン選手を追い越す動きが多くなれば、攻撃も流動的になり活性化されるので、今節のように多くのチャンスを演出すことに繋がります。
こちらは前半19分の追加点の場面です。
このシーンでは、ダミアン選手のポストプレイが2回続けて行われての得点になりました!
どちらのシーンにも共通していえるのは、ダミアン選手にボールが入った瞬間に動き出している選手が必ずいるということです。
上の図で見ると、まず山根選手からダミアン選手に入った時は右の家長選手が縦にスプリントをしていました。
そして逆サイドへ展開し、脇坂選手からダミアン選手に入った時にはマルシーニョ選手がゴール前へ走り込んでいます。
つまり、ダミアン選手がボールを受けることで攻撃のスイッチが入るということです。
もちろん、どちらも簡単にボール受けて展開したダミアン選手の技術の高さがあるから為し得ることではあります。
しかし、今シーズンの前半戦はダミアン選手が低い位置に降りてパスを受けても、それに反応して動き出している選手は少なかったです。
そのため、ボールを受けたダミアン選手は孤立してしまい、DFに簡単に取られるか中盤にボールを下げてもう一度作りなさないといけませんでした。
これでは攻撃にリズムを生むことはできません。
中央のダミアン選手を中心とした、3トップの攻撃が連動したことでより多くのチャンスを作り出すことができたんだね!
左サイドを見事制圧
そして、今節は左サイドを上手く使って攻撃を行っていたように感じました。
先程図で出した攻撃も、左のマルシーニョ選手へ展開しての攻撃でしたし、先制点もカウンターで左サイドから攻め上がりました。
マルシーニョ選手が無双していたともいえますが、家長選手が積極的に左サイドでゲームを作っていたのも要因ではないでしょうか。
家長選手の基本ポジションは右ですが、どの試合も家長選手は自由にピッチ内を走り回ります。
今節では、左サイドによく顔を出していました。
家長選手が左に来るということは、単純に左サイドにいるフロンターレの選手が増えることを意味します。
右サイドは手薄になりますが、左サイドで数的優位を作ることができます。
上の図では、ガンバが4-4の守備ブロックを引き、チャナティップ選手やマルシーニョ選手に警戒を見せています。
マルシーニョ選手は度々裏を取られていますし、チャナティップ選手は細かいポジショニングと裏への飛び出しが武器の選手なので、DFはフリーにさせるわけにはいきません。
そんな左サイドで、少し引いたスペースで家長選手はフリーでボールを多く受けていました。
右に左に、後ろに前にダイナミックに動くことで、フロンターレにリズムを作り出し、自分自身のプレイしやすいエリアを探し当てます。
左にいる時には、図のように引いた位置からのパサーの役割を行い、
右にいる時は、サイドからあまり動かず山根選手、脇坂選手を活かすピボットとしてポジショニングしており、
後ろまで引く時は、橘田選手の横でビルドアップに参加をする。
何でも屋であり、ピッチ内のバランサーをベテランが務めることで、ボールをスムーズに動かすことが可能になっているのです。
同サイドに人が集まっていると、ボールを取られてからのカウンタープレスを行いやすいという利点もあるね!!
意図の見えたハイプレス
さらにさらに、三銃士が躍動したのは攻撃だけではありません。
前線からの守備も、非常に組織的に行えていました。
フロンターレも、高い位置からのプレスは魅力的なチームです。
ハイプレスを行う場合
■ファーストディフェンスは誰か
■どこへパスを誘導するか
■どこで圧縮してボールを奪うか
といったところを統一しておかなければ、ガンバように簡単にプレスを剥がされてしまいます。
■ファーストディフェンスは誰か
フロンターレは多くの場合、CF、ダミアン選手や小林選手がファーストディフェンスになることが多いです。
相手DFからGKまでプレスを掛ける姿をよく観ているサポーターも多いと思います。
しかし、CF一人でボールを追いかけて、周りが連動していないというシーンも同時に見たことがあるかと思います。
特にダミアン選手がCFの場合多い印象です。
これだとCF一人が消耗しますし、相手ボランチが空いていたりするので何も規制が掛かっていないこともあります。
今節のダミアン選手はというと、ファーストディフェンスにいくよりは、ガンバのボランチのケアをしていました。
その代り、ファーストディフェンスはマルシーニョ選手がスイッチを入れていることが多かったです。
ウィングからプレッシャーに行くことで、サイドへのパスコースを消しながらプレスを行っていました。
■どこへパスを誘導するか
ファーストディフェンスを決めたら、パスコースを限定させてボールの行方を限定させる必要があります。
どこへ行くかわからないボールを取りに行くのは難しいですが、サイドへボールが出ると分かっていれば、サイドに先回りしてボールを奪うことが可能になります。
今節は、マルシーニョ選手と家長選手でサイドのコースを消して中央へパスコースを限定させていました。
使わせたいコースを空けておいて、その先にダミアン選手や橘田選手がプレスを掛けることで、相手の前進を止めることができます。
■どこで圧縮してボールを奪うか
パスコースを限定したら、その先に人を集めて、密集を作ってボールを奪い切ります。
中央に誘い込み、ダミアン選手がマークしているボランチに、脇坂選手やチャナティップ選手も加勢して一気にボールを奪います。
前線で奪えばすぐにゴール前に到着するので、前からのハイプレスは奪った後のショートカウンターまでがセットと考えても差し支えないでしょう。
もし圧縮されるのを相手が嫌がった場合は、フロンターレが行ったようにロングボールで一気にFWにボールを供給していきます。
今節は、谷口選手が上手く裏へのロングボールも対応していたので、事なきを得ずボールを回収することができています。
このように言葉で説明したのを図にするとこんな感じになります!
中央へ誘うようにウィングがプレッシャーを掛ける。
誘った先にはダミアン選手と脇坂選手とチャナティップ選手が待ち構えて、ボールが出た瞬間に一気に圧縮します。
ロングボールを後方に蹴られても、谷口選手と車屋選手が対応をします。
11対11でも、局所的に数的優位を作ることでボールを奪い切るのは、現代サッカーの主流になってきています。
そのため、このような視点で守備を観察しても面白いかもしれませんね!
今節は三銃士が躍動をしてくれました!次節も期待したいところですね!
今回は4バックを相手にしましたが、湘南や鳥栖のように組織だった5バックでスペースを作り出せないと、前回対戦同様に苦戦を強いられるはずです。
狭い空間でもマルシーニョ選手とダミアン選手が見せたような連携を出すことができるかが鍵になりそうですね。
4ゴール快勝をだった今節ですが、他にも明るいニュースが飛び込んできましたね!
何といっても登里選手の戦線復帰です!
後半の最後10分ほどの出場にとどまりましたが、短い時間でも存在感は十分に見せてくれました。
上がるタイミング、パスを受けるタイミング、立ち位置など、どれも勉強になるプレイばかりでした!
ルーキーの佐々木選手は最初のプロの壁を迎えているかもしれませんが、良いお手本がいるうちに盗める者は盗んでほしいです!!
残す怪我人はジェジエウ選手のみ!
後半戦に向けて続々と復帰してくれているね!
次節は名古屋グランパスとのアウェイ戦!
そして、次節はアウェイに乗り込んでの名古屋グランパス戦!
今節の名古屋は、最下位清水に敗北。
残留争いに巻き込まれないようにするためにも、必至に勝ちに向かってくることでしょう。
フロンターレも、マリノスに離されないようにするためにも勝ち点3を取り続けなければなりません!
グランパスは5バックを使用してきます。
今節のような流動的な攻撃が、5バックの狭い空間でもできるのか注目です!
次節も三銃士の登場はあるのか!?
それとも、夏男の登場なのか!?
ピッチ内外のトピックに楽しみながら、次節を待ちたいと思います!
それではまた次節!
Vamos!Frontale!!