J1リーグ第14節 川崎フロンターレvsサガン鳥栖 振り返り(2022/5/21)

川崎フロンターレ、退場者を出すも勝ち点1を得る

皆さんこんにちは!

初夏の陽気になり、マスクが暑苦しくなってきましたね…。

気温が高くなってくると、試合を行っている選手の疲労度にも影響が出てく始めてきますね。

そんな中行われた14節サガン鳥栖戦は、者一歩も譲らない白熱した展開になりました!!

ゆう
ゆう

お互い決定機が少なったものの、とても見応えのある試合だったね!

一進一退の攻防が続く中、終盤に事件が起きました。

後半の78分、谷口選手が垣田選手のドリブルを阻止したところで、一発レッドカードで退場処分になったのです。

いわゆる、DOGSOの対象になったわけですね。

ゆう
ゆう

DOGSO!聞き慣れないかもしれないけど、詳しくは後で解説していくよ

もう一つ、目立たないながらもフロンターレ鬼木監督の采配も光りました

前半上手くいかない時間が多い中で、ハーフタイムの選手交代で見事に修正を掛けました。

鬼木監督のこの修正力が、今シーズンの勝負強いフロンターレを作り上げているのかもしれません!

そんなような感じで、

①鬼木監督が加えたシステム変更

②DOGSOについて

大きくこの二つを中心に試合を振り返っていきたいと思います!

本日のスターティングメンバー

まずは今日のスタメンから確認していきましょう!

フロンターレは5人のメンバー交代でターンオーバーを行いました

フロンターレは中2日の連戦だったので、ターンオーバーでメンバーを5人変更して試合に臨みました。

前線でボールを持る家長選手を残し、それ以外の前線と中盤を総入れ替え!

ゆう
ゆう

久し振りのスタメンの選手もいる中で、どんな化学反応が見られるかな!!

対する鳥栖は前節からは変更は一枚ですが、ミッドウィークのカップ戦でメンバーを入れ替えたので、コンディションは整えてきています。

鳥栖のスタイルである前線からのプレスが今節も見られそうです。

お互いに明確なスタイルを持っているチーム同士の戦い!

普段のメンバーではないフロンターレがサガン鳥栖のプレスにどう対応していくのか。

引き分けの多いサガン鳥栖は、王者相手にもスタイルを崩さずに勝ち点3を奪いたいところ。

ゆう
ゆう

両者の思惑からどのように試合が進んだのか!

試合を振り返っていきましょう!!

川崎フロンターレ鬼木監督による巧みなシステム変更

この試合は、お互いが自分たちの良いところを出し切ろうという意識が強かったです。

前から積極的にプレスを掛けに行き、下かボールを繋がせない。

繋げないのでロングボールを蹴るも、味方に繋がらずに回収されるというシーンがとても目立ちました。

ゆう
ゆう

特にサガン鳥栖は、フロンターレをリスペクトしながらも、自分たちの得意な形に上手く持って行っていたね

さらに、川崎を苦しめたのはハイプレスを受けたことだけではないのです。

前半:積極的に使われた家長選手の後ろのスペース

中盤での攻守のせめぎ合いだけでなく、鳥栖が時折見せるビルドアップにも結構苦戦を強いられました。

中に絞っている家長選手の裏を使って攻撃を展開

図のように、フロンターレは前からのプレスを行うチームであるが、人を寄せてパスコースを限定し、パスを出したところを狩りに行くイメージでプレスを行います。

ゆう
ゆう

同じハイプレスでも、鳥栖は人にタイトにプレスに行くスタイルの違いがあるんだね

この試合も、基本的にはウイングの知念選手が外のパスコースを消してプレスに向かい、それに連動して小林選手がプレスに行き、サイドに追い込んでパスコースを限定しました。

しかし、右のウィングの家長選手は縦横無尽にピッチ全体を動いているため、プレスの位置に関係なく少し真ん中に絞ったポジションにいることが多かったです。

ゆう
ゆう

鳥栖はジエゴ選手がサイドに出る4-2-3-1のような形でビルドアップでしたが、ちょうどジエゴ選手のポジションが空いてしまうね!

この裏の空いたスペースを鳥栖が抜け目なく使っていました。

鳥栖は左からの攻撃が41%あったところからも、左サイドが攻撃の中心だったことが分かります。

前半40分には、キーパーからジエゴ選手にわたり、そこから決定機を迎えました。

この時の家長選手は逆サイドで若干攻め残っていたことで、ジエゴ選手がフリーでボールを運ぶことができていました。

一方守備も、持ち前のハイプレスがフロンターレを襲い、フロンターレのペースで前進をさせてもらえませんでした…。

前半は守備、攻撃の形が思惑通りに進んだ鳥栖。スタッツを見ても鳥栖が有利にゲームを進めた前半と言っていいでしょう。

後半:効果的だった選手交代とシステム変更

しかし、やられっぱなしで終わらないのがフロンターレ

後半からすぐに修正する対応力、修正力はさすが王者です。

小塚選手⇒マルシーニョ選手:4-2-3-1へシステムも変更

まず小塚選手に変わってマルシーニョ選手が後半頭から投入されます。

それに伴い、シミッチ選手と瀬古選手2ボランチ、家長選手のトップ下という4-2-3-1にフォーメーションが変わりました。

一見攻撃的な交代に見えますが、私には守備面修正のための交代に見えました!

4-2-3-1の基本フォーメーションから、守備に入ると家長選手と小林選手が横並びになる4-4-2のかたちへと可変します。

前半使われたウィングの裏のスペースをサイドハーフが消している

この図だけを見ても、前半とは大きく違うますね!

4-4-2でブロックを組むことで、サイドハーフがサイドのスペースを埋めてくれます。

後半の52分~54分にかけての守備はまさにその効果が表れていました。

小林選手と家長選手が相手の2ボランチを意識しながらブロックを組み、サイドに鳥栖が展開するとマルシーニョ選手と知念選手が待ち構えてプレスを掛ける。

中央はシミッチ選手と瀬古選手がコンパクトに構るのでボールを通すスペースがない。

鳥栖からすると、前半よりもビルドアップがかなり苦しかったのではないかと思います!

ゆう
ゆう

システム変更で相手に上手くやらせない!鬼木采配ズバリですね!

全体としては鳥栖のペースで進んだゲームでしたが、後半はより相手の決定機を減らすことに成功しました。

インタビューで多くを語らない鬼木監督ですが、試合後、ハーフタイムでの選手交代について聞かれた時、

鬼木監督
鬼木監督

前への推進力と周りの選手との兼ね合いで替えました

と答えていました。

この「周りの選手との兼ね合い」というのが、家長選手の後ろのスペースを指していたのではないかと推測しています。

家長選手の広範囲でボールを捌いてくれる良さを活かしつつ、相手の良い攻撃を食い止める。

この2つを1枚の交代で成し遂げた采配、お見事でした!!

一方サガン鳥栖は、これでリーグでの引き分けがリーグトップタイの「8」になってしまいました。

この試合も質の良い攻撃で決定機までは作るものの、ゴールという結果になかなか結び付けられていません。

守備がかなり整られているからこそ、いかに1点をもぎ取れるか

今後のリーグ戦で上位を狙い続けるポイントになるかもしれません。

川崎フロンターレ:疑惑のレッドカード

そして、触れずにはいられない谷口選手の1発レッドカード

少し厳しい判定にも見えましたが、VAR介入の結果、DOGSOの適用条件に当てはまるという判断を主審が下しました…。

そもそもDOGSO(ドグソ)とは?その意味と条件

DOGSOとは、「Denying an Obviously Goal Scoring Opportunity」の略で、

日本語で言うと得点または決定的な得点の機会の阻止と言い、2018年から日本でも競技規則に明記され始めました。

文言の通り、得点に結びつくチャンスをファウルで止めた場合に適用され、その時の罰は通常のファウルよりも大きくなります。(レッドカード)

また、その時に考慮しなければならない状況が4つあります。

DOGSOの適用条件

①反則とゴールとの距離

②全体的なプレイの方向

③ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性

④守備側競技者の位置と数

①反則とゴールとの距離

明確な基準は明記されていません。あくまで得点機会の阻止に当たる距離と主審が判断するかです。

下で、DFの裏をついたFWをファウルで止めたという例を挙げてみました。

ファウルの位置で、明確な得点機会であったかの判断が変わる

まず図表のように、センターライン付近でファウルを犯してしまった場合

センターライン付近

①ゴールまでの距離が遠い

②味方選手が戻って得点を阻止できるスペースと時間がある

イエローカード

という判断が下されます。

一方ペナルティエリア付近でのファウルの場合

ペナルティエリア付近

①ゴールまでの距離が近い

②味方選手は戻れず、GKと1対1のシチュエーションになる

レッドカード

という判断が下されます。

②全体的なプレイの方向

こちらは読んで字のごとくですね。

ペナルティエリア付近であっても、ゴールへ向かうプレイを行っていない場合は得点機会とはみなされません。

③ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性

こちらは少しニュアンスが分かりにくいかもしれませんが、噛み砕くと、攻撃側の選手がボールをコントロールできる状態にあった上で、守備者がその攻撃を妨害したという表現になるかと思います。

逆に言うと、クリアボールが転々としていて、攻撃側、守備側どちらとのボールともいえない状況でのファウルは「明確な得点機会」に当たらないためゴールが近い状況でもレッドカードの対象にはならないでしょう。

④守備側競技者の位置と数

先程の図のように、守備者1人が交わされて誰もカバーに入れない状況であると、残すはGKとの勝負なので「明確な得点機会」が作られたことになります。

しかし、守備者がもっと複数いた場合、1人交わしてもDFのカバーが間に合いますし、GKの間にDFがもう一人立っているとチャンスは作れていますが、「明確な得点機会」とまでは言えないでしょう

ゆう
ゆう

色んな情報を審判が判断する時に、「明確な得点機会であったか」というのが重要な判断基準なんだね!

谷口選手が下した、ファウルで止めるという判断

では例の場面です。

何が疑惑となっているのか、確認した4条件を基に確認してみましょう。

ポイントは①と④

シチュエーションをおさらいすると、センターライン付近で垣田選手が橘田選手からボールを奪うところからこの場面は始まります。

垣田選手が一気に持ち出すところを、谷口選手が必死に食い止めようとしたところファウルを取られ、VARでレッドカードに判定が変わりました。

まず分かりやすい条件は②と③です!

②全体的なプレイ方向は矢印の通り、フロンターレゴールの方向にプレイが行われています。

③垣田選手が保持したボールをドリブルで猛進しています

というわけで、②と③の条件は満たされています。

意見が割れるのは①反則とゴールの距離ではないでしょうか。

ちょうどセンターラインとペナルティエリアの中間あたりなので、「明確な得点機会」を裏付けるほどの距離には見えません。

最後の条件は④守備競技者の位置と数です!

まず、カウンターを受けた場面なので、フロンターレの選手は十分に戻り切る時間がありませんでした。

そのため、ボールに関われる選手の数は少なく、位置も遠いです。

そして、サガン鳥栖の選手は反応が早く、フロンターレの選手よりもゴール前への走り出しが早かったです。

垣田選手が中の選手にパスを出す、あるいは谷口選手をかわすとGKと1対3でゴールを目指す「明確な得点機会」を作ることができているのです。

ゆう
ゆう

周りの選手の状況も踏まえて、主審はレッドカードを出す決断してしまったんだね…。

1点取られれば鳥栖の守備を崩すのは容易ではなかったので、「ファウルでも良いから止めなければ!」という瞬間的な判断を下したのでしょう。

味方選手の戻りを待つ判断もあった中で、責任感あふれるキャプテンのジャッジでした。

ただし、失点していれば敗戦の可能性もあったことを考えると、1点ものの守備であったので今回の退場は妥当な判断であったと言えるでしょう。

川崎フロンターレは次節神奈川ダービー!

次節、ホーム湘南ベルマーレを迎えた神奈川ダービーです!!

ゆう
ゆう

ダービーはサッカーの醍醐味の一つ!

ホームなので盛り上がること間違いなし!!

前節劇的勝利を収めた湘南は、この勢いのままに降格圏からの脱出を図りたいところ!

フロンターレは、今回の退場により谷口選手が出場停止ですが山村選手、車屋選手を中心に守備の穴を埋めてくれるはず!

湘南との試合は直近10試合負けなしの相性の良さなので、次節こそ勝ち点3を物にしたいですね!

どんなスタメン、どんな戦術が繰り広げられのか楽しみにしていきたいと思います!!

それではまた次節お会いしましょう!

Vamos!Frontale!!

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