皆さん、こんにちは!
5月14日、リーグ戦13節。今節は約一か月ぶりのホームでのリーグ戦でした!!
蒸し暑くてなかなか厳しいコンディションでしたが、選手、サポーターが一体となって戦うことができました。
結果は2-0でフロンターレの勝利という結果です!!
やはりホームはいいですね~。
スタンドには中村憲剛さんの姿もありました!
そんな中行われた試合はというと、前半と後半でかなり表情が違う試合となりました!
前半は、アビスパ福岡の素晴らしい守備に、フロンターレはなかなか攻めあぐねましたね。
4-4-2のブロックが非常にコンパクトで、危ないスペースをきっちり消していました。
フロンターレはボールを保持して数回良いチャンスは作るものの、決定的なシーンは作れませんでした。
前半は、アビスパ優勢で試合が運ばれた展開となりましたね。
さすがアビスパ福岡の守備と言わざるを得ない…。
リーグ最少失点は伊達じゃないぞ。
しかし後半、一転して試合をコントロールし、終始フロンターレが優勢で展開ができました。
中盤と前線が流動的に動き、決定機につながるパスが確実に増えました。
実は、前半にこの兆候は出ていました!
その兆候を確実に使っていたところを見ると、ハーフタイムにコーチングスタッフから指摘があったはずと分析しています。
どのような兆候があったのか⁉ゆっくりと紐解いてみよう!
本日のスターティングメンバー
まずは、今節のスタメンから確認していきましょう。
フロンターレは前節とメンバーを変えずに臨みました。
全体的に良い連携が取れたエスパルス戦の、良いイメージのまま試合に入った形です。
対するアビスパはスタメンを6人変更!
守備的な陣容と、前線のファンマ選手と山岸選手をターゲットにしたクロスをイメージした布陣のように見えました。
1週間のブレークで、フロンターレ相手に相当準備してきたのではないでしょうか。
試合前の長谷部監督は、謙虚にインタビューで受け答えをしていましたが、昨季フロンターレの無敗記録を止めたアビスパなので、良いイメージはあったはずです。
では、試合内容を振り返ります!
まずは前半。
冒頭でも述べたように、アビスパ福岡の守備が素晴らしかったです。
アビスパは4-4-2のラインを組み、横に縦にハードワークを繰り返しながらもコンパクトな陣形を保っていました。
基本的に、前線2トップがフロンターレの谷口選手、車屋選手、橘田選手の3人を同時にケアし、中央への突破に規制を掛けていました。
フロンターレはCBからボールを繋いで攻め上がっていくのがビルドアップのパターンの一つです。
この真ん中のスペースを消した規制によって、ビルドアップはかなり窮屈にさせられましたね。
真ん中を消されているということは、サイドからの展開を考えないとか…。
サイドに展開すると…。
中央は規制されていますが、その分SBには一定のスペースが生まれます。
そこでSBの佐々木選手にパスを出すとどうなるか。
上の図のように、ボールサイドに全体がスライドすることで密集状態を作り、スペースを消しています。
縦に仕掛けようとしても、アビスパの選手だらけでは進めないなぁ…。
となると逆サイドは手薄になりますね!
CBを経由して右の山根選手に展開すると……あっという間にアビスパの選手が寄せてきてしまうんですね。
このスライドが素早く組織的なため、フロンターレはエリアの外側でボールを回すことができても、ゴールに繋がるような決定的なパスを出すことができません。
中央やペナルティエリアの角といった危ないエリアには、アビスパの選手が確実に埋めていましたね…。
サイドから先に進めないので、CBからやり直そう…。
バックパスをした時も油断できません!
今度は、2トップがCBに一気にプレッシャーを掛けに行きます!
そうすると、前から奪いに行く守備に切り替わり、後ろの選手も連動して前に出てくるのです。
この日でいうと、ファンマ選手と山岸選手でマークしていた橘田選手ですが、ここには6番の前選手がきっちりとカバーしていました。
それ以外のスペースも、後ろから人を押し上げてパスコースを消されました…。
前半13分のシーンは、まさに前から連動して奪いに行った結果、チョン・ソンリョン選手のパスミスを誘い決定機を作ることに成功した典型的な展開でした。
前半で見えた光明
とにかく隙がなかった…。抜け目なかったアビスパの守備…。
脳裏をよぎるのはACLの蔚山戦。点が取れずにカウンターで失点し敗北…。
同じような負け方をしてなるものですか!!
しかし、攻撃のチャンスが全くなかったわけではありませんでした。
苦戦しながらも、後半のヒントになるシーンはありました!
そんなシーンをピックアップしてみます!
フロンターレは、CB→サイド→CBような大外でのボール回しの時間が長い前半でした。
そんな中で重要になったのが、中央への縦パスです!
数は少なかったですが、いくつか縦パスを試みるシーンはありました!
上の図は、前半43分に谷口選手がレアンドロ選手へ縦パスを試みたシーンです。
この図のように縦パスを入れると、中央・ゴール前でボールを握られたくないアビスパは、縦パスが入ったところを抑えにきます。
このシーンでは、レアンドロ選手にCBのグローリ選手と中盤の中村選手がプレスに行っています。
そうすると、一時的4-4-2のラインが崩れるため、その裏や脇の脇坂選手が空いてきます。
ここではギリギリのところでアビスパが防ぎましたが、引いたブロックの中にあえてボールを入れることで、相手の陣形を崩すきっかけを作ることができるのです!。
前半に同様のシーンがいくつかあり、谷口選手は縦パスを3本試みていました。
1本は失敗に終わりましたが、レアンドロ選手などに縦パスを当てられたときは良いシーンを作りました。
前半の縦パスを攻略のヒントにしたのか、後半はシンプルに縦パスを送るシーンが圧倒的に増えました!
①パスの出し手にマークにいく
②パスに受け手にプレスをかける
③ ①と②の動きに伴い、相手陣内にスペースが生まれる
縦パスを増やすことで相手守備が動き、相手守備が動いていくと、相手陣内に出来たスペースを活用した攻撃を行うことができるようになります。
自分たちから仕掛けることで、相手の守備が崩れるのを誘うんだね!
後半開始から明らかに縦パスが増えたので、アビスパ守備も気にせずにはいられない状況でした!
縦パスを使った攻撃をしつこく続けていると、アビスパの陣形も引っ張られて4-4-2のラインを保つのも難しくなってきます。
上の図は、後半の64分です。
谷口選手から脇坂選手に縦パスが入ったところ。
中盤の選手が引き付けられて、中盤4人の列が曲がってしまっているね
何度も縦パスをつくことで、「次は防ごう」、「次は受け手で潰しに行こう」という気持ちが働くので、このようなズレが生まれてきます。
さらに、DFの裏を取られないように意識していると、DFラインもどんどん下がっていきます。
このシーンは橘田選手へ落としてマルシーニョ選手にスルーパスを出して決定機を演出しました。
フロンターレの得点はいずれもセットプレイからでしたが、相手DFラインを押し下げて、プレイエリアを相手陣内で行えたからこそ奪えたセットプレイと言えるでしょう。
2点リードした後はフロンターレがボールを落ち着いて回し、危なげなく試合を終わらせました。
この試合は、引かれたブロックを縦パスで徐々に崩すことで得点を生み出しました。
どのチームもフロンターレの3連覇を阻止するために、今後もあらゆる手を講じて守備を固めてくると思います。
そんな時でも、相手の弱点をいかに早く見つけられるかは重要です!
今回は戦術的な部分を中心に振り返りました!
得点を決めた遠野選手や機転の利いた動きを見せた家長選手など、個人でも良いプレイをたくさん見ることができた試合でしたので、次節以降の活躍にも期待しましょう!!
次節は、ようやく初勝利を挙げたヴィッセル神戸!
前節のサガン鳥栖戦、イニエスタ選手が入るだけでこんなに変わりますか?(汗)
狭いスペースでのトラップ…ボール捌き…。やはり世界レベルは違いますね。
イニエスタ選手を自由にさせないことがカギになりそうです!!
また、注意するのはイニエスタ選手だけではありません。
前線には大迫選手、武藤選手、ボージャン選手とタレント揃い。
橘田選手の仕事量が増えそうですね…。
連戦になるので、ある程度メンバーを入れ替えた中でもクオリティを変えることなく試合を進められるでしょうか。
下位に沈んでる神戸とはいえ、油断せずに精一杯声援を送りましょう!
では、また次節お会いしましょう!
Vamos!Frontale!!