皆さん、こんにちは!
ACL延期分のアウェイ神戸戦でしたが、1-0の劇的な勝利となりました!!
試合を通じて苦しめられましたが、最後の最後のコーナーキック……。
キャプテン谷口選手がチームを救いましたね!
文字通り劇的な展開で、貴重な勝ち点3をゲット!!
試合は前節のアビスパ戦同様に、組織的なヴィッセル神戸の守備をなかなか攻略出来ませんでした。
試合前の鬼木監督も、
(ロティーナ監督は)守備のブロックをしっかり組んでくる。
(神戸は)力のあるチームなので、隙を見せると危険なシーンを作られてしまう。
と、言葉数少ないながらも、警戒の言葉を口にしていました。
相手のロティーナ監督は2017年から日本で指揮を執っており、守備の構築に長けている監督です。
試合前インタビューでも、
川崎はスタイルが固定されているので分析しやすいチームである。
他のチームと同様、しっかりと分析して準備してきた。
と自信を覗かせていました。
両監督の言葉通り、両チーム一歩も譲らない好ゲームとなったのは間違いないです!!
本日のスターティングメンバー
それでは、今節のスターティングメンバーを確認しましょう!
フロンターレは3試合連続で同じメンバーを選出してきました。
ボール保持とDFが今一番安定している人選になっていると思います!
対するヴィッセル神戸は、何といってもイニエスタ選手です!
バルセロナで磨かれたボールタッチ、パスは未だ健在です。
前節のサガン鳥栖戦は、イニエスタ選手がいることで攻撃が活性化されていましたね。
ここに武藤選手、汰木選手と前線には強烈なタレントが顔を並べます。
しかし、今日の主役は縁の下の力持ちのDF陣!!
ロティーナ監督に仕込まれた守備により、フロンターレは決定機を作れませんでした。
ロティーナ監督:試合前の自信そのままに…。
まず、各チームがフロンターレに対して行っている基本的な対策としては、
- ビルドアップ時に橘田選手のいるアンカーを経由されないようにマークをする
- 中央を閉めて、ゴール前で決定的な仕事をさせない
ということをしてきます。
これにプラスして、自チームの選手の特徴を活かしたスパイスを加えます。
DFラインもタレントぞろいなヴィッセルは、非常に高いレベルで守備タスクをこなしていました。
こちらは前半16分の神戸の守備です。
先程挙げた基本的なタスクはヴィッセルも充分にこなしていました。
まず、橘田選手は武藤選手とイニエスタ選手で牽制しています。
そして、真ん中を中盤、DFラインでギュッと狭くしていますので、中央にボールを入れるスペースはほとんどありません。
さらに、斜めのランニングに対してもきっちり対策をしてきました。
上の図では、サイドに張っていた山根選手がボールを受け、サイドバックの酒井選手がプレッシャーに行っています。
酒井選手がサイドに出たので、CBの小林選手との間にスペースができました。
このスペースを抜け目なく家長選手と脇坂選手が斜めのランニングで使いに行くのですが、2ボランチの山口選手と大崎選手がぴったりとついていっているのです!
流動的に動くフロンターレの選手についていくので、パスの出しどころがなくなっちゃうね…。
この16分のシーンは、山根選手が脇坂選手にパスを試みるも、大崎選手が先にボールを触り難を逃れています。
前半は後ろに引いて守る守備が中心でしたが、
・2トップで橘田選手を牽制
・中央を閉め、サイドにボールが出たらサイドバックとサイドハーフがプレッシャーを掛ける
・中央のスペースと斜めのランニングには、2ボランチがついていき穴を埋める
この3つを精度高くやり切ったことで、フロンターレに決定機を作らせませんでした。
よりアグレッシブな後半戦
前半は引いて守備を作ったヴィッセル神戸。しかし、攻めの形はあまり作ることができませんでした。
低いブロックは相手ゴールまで遠くなるため、ある種弊害とも言えるでしょう。
そして始まった後半、引いたブロックに加えて前からのプレスも積極的に行い始めました!
前への意識が強くなり、守って凌ぐだけでなく得点も狙いに行き始めたね。
後半開始直後のプレッシングです。
橘田選手の牽制を続けつつ、汰木選手がCBまでプレスに行くなど、前からどんどん人を充て込んでいきました!
中央の橘田選手を経由できないのでロングボールを蹴るも、空中戦の強いヴィッセルのCBに跳ね返されてカウンターを受けてしまう。
仮にプレスを回避してパス交換から前進ができると、ヴィッセルは前半のように低くブロックを作って守備の陣形を作る。
この前に行くのと後ろに下がることの使い分けを後半はより柔軟にこなしているように見えました。
後半開始直後の45分と47分の決定機を決められていたら、全く違う試合展開になっていたかも…。
アグレッシブさが表れた【スプリント回数】
ここで興味深いスタッツをひとつ紹介したいと思います。
それはスプリント回数というものです!
試合の中で時速24km(50mを約7.5秒)を1秒以上継続した数
※リーグによって基準は異なります
いわゆるダッシュを何回行ったかを計測した数字ですね!
ダッシュが多かったということは、それだけアグレッシブに動いた証だね!!
まず前半のスプリント回数です。
ヴィッセル神戸 | スプリント回数 | 川崎フロンターレ |
---|---|---|
15 | マルシーニョ | |
武藤 嘉紀 | 13 | |
山川 哲史 | 9 | 佐々木 旭 |
8 | 脇坂 泰斗 | |
郷家 友太・酒井 豪徳 | 7 | 橘田 健人 |
山口 蛍 | 6 |
前半は、特段走った選手がいたわけではないことが分かるスタッツになりました。
ヴィッセルがブロックを敷いていたので、全体的に省エネの前半だったと言えるでしょう。
ヴィッセル神戸 | スプリント回数 | 川崎フロンターレ |
---|---|---|
武藤 嘉紀 | 32 | |
21 | マルシーニョ | |
19 | 佐々木 旭 | |
山口 蛍 | 16 | |
15 | 山根 視来 | |
酒井 豪徳 | 14 | |
山川 哲史・汰木 康也 | 13 | 遠野 大弥・橘田 健人 |
こちらが後半のスプリント回数です。
突出しているのは武藤選手のスプリント回数です!!
後半だけで19本のスプリントを記録しました。
山口選手、汰木選手も前半よりもスプリント回数が伸びていることから見ても、後半の方がよりアグレッシブな戦いになったことがうかがえます。
前線からのプレスとショートカウンターの数が前半よりも増えたことがこのような数字からも分かるのは面白いね!
ここまで書いたように、90分間ヴィッセルの思い通りに試合は進んでいました。
今節は勝ち点1を分け合って終わってしまうのか…。
誰もがそう思ったと思います。(私も思っていました…。)
しかし、最後の最後にドラマが待っていました!
内容の良し悪しにかかわらず勝利を収めるところが王者たる所以なのかもしれません。
キャプテン、意地のヘディング
その時は突然訪れてきます。後半の91分です。
左からのコーナーキックに合わせたのは我らがキャプテン、谷口選手!!
小塚選手のニアへの鋭いボールを見事に頭で合わせました!
この試合、前半24分にフロンターレは初めてコーナーキックを獲得しますが、この時も谷口選手がニアへ走る動きを見せていました。
この時はタイミングが合わず、谷口選手にボールは入りませんでしたが、最終盤で同じ動きを見せていたということは、ある程度準備されたコーナーキックの形だったかもしれませんね!
最後の最後まで集中を切らさず、気持ちの入ったヘディングシュートはお見事でした!
今シーズンは、どのクラブも【打倒フロンターレ】として相当準備して毎試合臨んでくるはずです。
そのため、今節のように流れの中からの得点が非常に困難な試合も増えてきます。
そういった展開でも、ワンチャンスやセットプレイで得点が取れるかどうかが非常に大切です。
3連覇の鍵は、もしかするとセットプレイにあるのかもしれませんね!
チョン・ソンリョン選手:Jリーグ通算200試合出場達成!
この試合はもう一つ、チョン・ソンリョン選手の200試合出場のメモリアルな試合でもありました!
今節も危ないシーンを作らせない安定したパフォーマンスを見せてくれましたね。
韓国代表経験のあるGKは2016年にフロンターレへ入団。以後ここまで活躍し続け、
年 | タイトル | 個人タイトル |
---|---|---|
2016 | 第96回天皇杯 準優勝 | |
2017 | J1 リーグ優勝 | |
2018 | J1 リーグ優勝 | Jリーグ優秀選手賞 ベストイレブン |
2019 | FUJI XEROX SUPER CUP 優勝 ルヴァンカップ 優勝 | |
2020 | J1 リーグ優勝 第100回天皇杯 優勝 | Jリーグ優秀選手賞 ベストイレブン |
2021 | J1 リーグ優勝 FUJI XEROX SUPER CUP 優勝 | Jリーグ優秀選手賞 |
ここ5年で4度のリーグ優勝に大きく貢献し、個人タイトルも多く獲得しています。
37歳を迎えても衰えないパフォーマンスで、フロンターレ守備を支えてくれています!
3連覇を成し遂げるには欠かせないピース!
今後の活躍にも目が離せません!!
前節に続いて苦しい試合になりましたが、次節も苦労を強いられるかもしれません…。
前回対戦敗戦を喫したサガン鳥栖をアウェイで迎え撃ちます。
サガン鳥栖は、前節ヴィッセル神戸に初勝利を献上してしまったため、悪いイメージを早目に払拭したいところ!
今シーズンも好調で5位につけていますが、得点を取り切れずに引き分けが多い印象。
3バックで前から果敢にボールを奪いに行く守備でここまで11失点と守備が安定しています。
ただ、ハイプレスを裏返されてカウンターを受ける場面を時折見かけます。
4失点した神戸戦と辛勝したFC東京戦でも何回か決定的なカウンターを受けています。
フロンターレの左サイドはマルシーニョ選手と佐々木選手でスピードがあるので、攻撃の鍵を握るかもしれませんね!
また、連戦が続くフロンターレはスターティングメンバーを変更するのかもポイントです。
連勝の良いイメージをキープしつつも、選手を休ませ、怪我のリスクを最小限にしながら試合に臨みたいですね!
そんな人選にも注目しながら、次節を迎えましょう!
では、また次節お会いしましょう!!
Vamos!Frontale!!